 
破瓜
「ああっ・・!」
その瞬間、体内を引き裂くような激しい痛みが走った。
最初の衝撃がおさまる間もなく、硬い異物が抉るように深部まで突き入れられた。
あまりの痛みと圧迫感にたまらず目の前の彼にすがりつく。わななく指先を広い肩に這わせ、
爪をたてた。
「はや・・みさん・・」
たえだえに呼ぶその声を聞き届けたように、彼がきつく体を抱き締めた。重なる肌、脈打つ鼓動。
そして・・・目も眩むような一体感。
「マヤ・・・」
彼の声が聞こえる。
耳元で、優しい手で、愛しさのこもる声音で。

そうこれは至上の歓びなのだ。
ずっと離れ離れになっていた二つの魂が肉体を通して結ばれる。
繋がりは一時のことかもしれない。でもこの心はきっといつまでも・・・永遠に・・・。
眼差しが絡み合う。溢れるような愛しさが込み上げ、溶け合った部分が熱を帯びてくる。
自然と流れ落ちた涙をそっとくちびるが吸い取った。
「ーーー・・・愛してる」
<Fin>
|
 
|